お気に入りマンガの感想のようなブログです【一部ネタバレあり】

【STEP13】Life in The Fast Lane

島耕作といえばゴルフである。そして、ゴルフ場では何かが起きる。たんにゴルフを通してコミュニケーションを図るだけではない。事件が進展したり、誰かを追求するようなことをしたりするのも、ゴルフ場である。ときに、登場人物がゴルフ場での出来事をきっかけに死に至ることもあるのだ。つまり、島耕作ワールドにおいて、ゴルフ場は何かのフラグであることが多い。

今回、ラウンド中の島と平瀬健一のもとに入った連絡は「植松権兵衛倒れる」だった。さすがにラウンドは中断である。気の利くキャディは慌てる様子もなく、パトロール車を手配する。このような事態にも対処できるよう、教育が行き届いているのだろうか。もしかしたら、エグゼクティブ相手のラウンドでは珍しいことではないのかもしれない。ゴルフ場を後にし、着の身着のまま、権兵衛が運ばれたICUに向かう2人。権兵衛は脳出血で緊急手術が必要なようである。

あわただしく病院に到着する面々。あまりの急な出来事に名前も変わる始末

病院に着くと、すでに長峰和馬が来ていた。続いて、取締役会議長の得能も到着する。いやいや、前回は「徳野」ではなかったか?元に戻ったのだろうが、気にしないのがベターだろう。

権兵衛の様子はまだ不明なものの、高齢で脳出血、緊急手術となれば、楽観はできない。そして案の定、圭介の姿はない。代わりに病院にいたのは、権兵衛の妻であった。初芝の4代目社長、大泉裕介の妻にそっくりなこの女性も、圭介不在が気になるようである。そして、不遜な態度も大泉の妻に酷似なのである。

遊びにかけては一流の平瀬にはすべてお見通し

実子の植松圭介の携帯電話がつながらないのは、映画でも見に行っているからだろうか?否、そんなわけはないのだ。女遊びでは一日の長がある平瀬にしてみれば、そんなのはお見通しなのである。

平瀬の予想通り、当の圭介はマンションの一室で女性と一緒であった。なかなかうらやましい姿勢で女性と過ごす圭介。女性はレストランで働いているようである。STEP6で、圭介が仕事の打ち合わせ終わりに向かったホテルの一室にいたのは、この女性なのだろうか。

そして、平瀬の予想はドンピシャであり、女性と会っているから携帯電話の電源を切っていたのだ。ただ、女性と会っている間はスマホをいじらない、と考えれば、それはそれで好感にも捉えられなくもない。スマホの電源を入れ、ようやく父が倒れたことを知る圭介。しかしその表情に、さほど驚きも危機感も見えない。自分はそういう顔なのだ!といえばそれまでだが、今さら急いでも自体は変わらん、とばかりか、既読になってしまったから病院に向かわないといけない、と考える様子から、本当に危機感がないのだろう。このあたりが、取締役会のメンバーから自覚不足と評されてしまう原因だろう。

トップが倒れる緊急事態もワクワクが止まらない不謹慎な平瀬

権兵衛の手術が終了した。出血が多かったようで、重い後遺症が残るのは避けられないだろう。

さて、その執刀医の話を聞いての、さすがの島と平瀬である。権兵衛の妻や圭介ら面々が少なからずショックを受ける一方で、社長交代時期に考えをめぐらすのは経営者の性だろうか。後継者問題が頭に浮かぶのはある意味、社外取締役としての役割を果たしているというのだろうか。ただ、平瀬はその様子を面白がっているように見える。そう、平瀬は決して善人ではない。やり手の経営者であるのは間違いないが、本体は美食家で女好きのオッサンである。

現実問題として、勇退を考えている最中のトップが倒れたとしたら、嫌でも事業承継のスピードは上げざるを得ないだろう。そうなると、監査役として加わったばかりの剣持松男が後継ぎとなる線は、ちょっと時間がなさすぎる。ここはやはり圭介か。中継ぎで長峰あたりの登板もあるのだろうか。