お気に入りマンガの感想のようなブログです【一部ネタバレあり】

【STEP37】Danger Zone

トップガンなのである。もちろん映画では格好よく描かれるが、どの国も防衛関連は大変なのだろう。日本も防衛費が増大し、毎度の予算編成だけで一苦労なのである。

さて、四谷嵐子はやたらと政府に呼ぶ出されている気がするのである。島も大臣から意見を求められることがあったと思うが、四谷はその回数がけた違いに多い気がするのだ。と思ったら、四谷はもともと国家公務員であり、元大臣でもあるということから、政府とのつながりも多いのだろう。そしてビジネスもそんなところから生まれるのである。

親方日の丸は本当に安泰で儲かるのか

さて、防衛産業といえば「親方日の丸」で安定した収入が得られ、国の仕事をしているという実績もできる点から企業にとってメリットは大きいと思われるが、どうもそうではなさそうなのだ。

国の事業であることから高い技術やセキュリティーが求められることはもちろんだが、それに見合った収益が思ったより低かったり、同じ技術を使った製品で顧客を広げられなかったりすることから旨味がないというのが四谷の説明である。

大手企業の撤退が目立つのが現状で、このままだと国の防衛力衰退につながってしまう。そんな折に四谷が島に持ってきた話は、テコットと組んでUEMATSUの塗装技術でステルスコーティングに参入しないかというものなのだ。

ところで、家族経営だった小さな塗装屋が、小型偵察機にステルスコーティングする技術まで保有するようになったのは、実はとてつもないことなのではないだろうか。植松権兵衛の経営手腕は、立志伝として十分成り立つであろう。

久しぶりに社外取締役らしさを発揮する主人公

島が相談を持ち掛けたのは、噂の長峰和馬である。長峰と植松貴子の関係を知っているのは島だけだろうか。島が平瀬や徳野にちょっと話したりしたのだろうか。とまあ、野暮な話は置いておいて、ビジネスとなれば一線を画すのが島なのだ。そして、長峰の古くからの付き合いの塗装屋も、かなりの技術を持っているようなのである。

森塗研は社員数人の町工場である。かつては大きな仕事もしていたようで立派な工場を所有しているが、今は仕事があまりないように見られ、社員は手持ち無沙汰で閑古鳥が鳴いているような状態だ。やることがなさすぎて、社長は近所の釣り堀で暇を持て余している様で、このままだと廃業待ったなしだろう。

赤字を抱え会社を畳もうかと考えている人間だが、そこは生粋の職人というところか。旧知の仲である長峰からの依頼となれば、話は別である。少々渋っているふうに見せながらも国の仕事で難易度も高いと聞かされれば、腕がなるのだろう。引退を視野に入れている78歳でもやる気は隠せないのである。