植松圭介が剣持松男を連れて向かったのは「BAR ギルダ」である。清宮由美子がママを務めるこの店に松男を連れてきた意図は何か?由美子へのポイント稼ぎのため、そして自身が保証人である店が潰れてしまっては困るので、せっせと客を紹介している、というだけではないだろう。たんに由美子を自慢したかったのと、自分が金を出した店であることを知らせ、松男にちょっといい顔をしたかったのだと思われる。
この店の融資にGOを出したのは松男である。由美子と圭介がどんな間柄なのかも分かり切ったことだ。間髪入れず、松男も含めたアフターの約束を取り付ける由美子。能天気なのは圭介のみである。
焼き肉屋にそぐわないような店名でも肉は美味いらしい
「クイーン」なんて、何を考えて焼き肉屋にそんな名前を付けたのは皆目謎だが、味は確かで、しかし値段もそれなりのようだ。
圭介が席を外している間、松男から探りを入れられる由美子。四菱銀行の高野との間柄を探られると、見事なまでの機転の早さである。さすが、銀座で一人で店をやっていこうとする覚悟を持った女である。取り込んだのはどちらなのか?松男も、由美子も当然ながら、計算があってのことである。ここでも知らぬは圭介のみである。おそらく能天気に焼き肉を堪能し、満足して岐路についたのだろう。
高齢者のワンパターン化は少々気になるが今日も仲良くランチである
さて、場面は島がオフィスを構える青山のBiz Towerである。今日も平瀬健一と一緒だが、しょっちゅう一緒で飽きないのだろうか。そんなに話しのネタはあるのか。年をとると、一緒に昼食をとるような人も少なくなり、互いに都合が良いのだろうか。たしかに、島は個人事務所で普段、食事を共にするような人間はいないようである。平瀬ももう、実務にほとんど関わっていないのだろう。それどころか、出社すらロクにしていないのではないか。
昼食は、青山の人気店のようだ。
https://www.afm-teahouse.com/
今日の昼食のお供はTECOTの四谷嵐子である。防衛省からの呼び出し後に駆け付けたということで、話しは一気に日本の防衛費と周辺の国際関係という、緊張感のある内容に変わる。
軍事力を持つこととはどういうことか。日本と世界はどこへ向かうのか
中国と日本の防衛費は、かなり差がついてしまった。かつては日本のほうが防衛費が高かったものの、1998年には中国の防衛費が上回った。以降は差が開く一方で、けた違いになるのも時間の問題のように思える。それどころか、日本の防衛費は韓国よりも低いのだ。
軍事力を持つこととは、どういうことなのか。各国が防衛費を増やすなか、日本はこのままで良いのだろうか。軍事力を高めるということは、攻撃力を増すだけではない。守るにも力は必要なのだ。日米の関係性があるからといっても、まずは自分たちで守る努力をしなければならない。侵略を受けるのはアメリカ本土ではない。自分たちなのだ。対応したうえでサポートを得る、という順番を忘れてはいけないのだ。ロシアのウクライナ侵攻が始まり数年が経つ。中国の台湾侵攻リスクは2027年に現実となる、という分析もある。現在、中国は潜水艦技術を向上させており、保有数もアメリカに迫っているようである。潜水艦は台湾有事の際、大きな役割を果たすだろう。思うように予算を増やせない日本は、アメリカとどのように有事を念頭に備えるのだろうか。世界はどこに向かい、平和な風景はいつまで続くのだろうか。