結婚相手を初めて親に会わせるのは、いつの時代も落ち着かないものである。面接のような、審判を下されているような、まあ、昔よりは品定めのような感じはないだろうし、両家の格などなくなってきているはずで、もかなりフランクになっているのかもしれないが。しかし、その親が植松貴子となれば、なおさらなのである。ところが、空気が読めないのか、ボンボンの圭介には、そんな緊張は見られないのである。心を入れ替えたのではなかったのか?だが、圭介の結婚相手の下山美夢有も貴子に負けず劣らずの強気なのである。
結婚したら家庭に入る、仕事を止めて子育てに専念する、などは時代錯誤なのだろうが、貴子にしてみれば当然なのである。しかし下山美夢有は、シェフとして活躍している自立した女性である。また、圭介は彼女に自分の店を持たせようとしていたくらいである。子育てを一通り終えて家庭が落ち着いたら、シェフの仕事を再開するのは、2人にとっては当然の計画なのだろう。2人とももう少し、貴子の感情や人間性を重んじた対応をしたほうが良い気がするが、初の顔合わせは最悪といえる結果に終わったようである。
自宅にタケノコを埋めたのは万亀さんかそれとももともとの所有者か

本日の島と平瀬健一はタケノコ掘りである。万亀萌改め、三代萌(元謝萌縁)の自宅で、タケノコ掘りができるなんて羨ましい限りだが、タケノコの成長スピードは油断できない。ピーク時には一日で1m以上伸びることもあるというのだから、驚きである。放置したら最後、庭はタケノコだらけになってしまうのだ。自宅でタケノコ堀りができるというのはなかなか魅力的ではあるが、素人が安易に埋めるのは避けたほうが良いだろう。
そして、タケノコ掘りに来ても島と平瀬の話題はUEMATSUなのである。休日も会社のことを気に掛ける、社外取締役の鏡と尊敬のまなざしを向けたいところだが、ただ仕事から頭が離れない体質になってしまっているだけだろう。お家騒動に発展するかどうかを楽しんでいるだけ、もしくは仕事以外にこれといった話題がないのかもしれないが。
結婚の興味もないようで、タケノコ掘りなどもしなさそうな剣持は、社長就任後すぐに動き始めたようである。さっそく3社の塗装会社の買収を画策中だ。本気でUEMATSUを業界1位に押し上げようとしているのだろう。ただし、予想通りのワンマン経営で、社内の評判はイマイチのようだ。先代の植松権兵衛もワンマンだったが、昔ながらのファミリー気質の会社で、家長として存在していたワンマン社長である。銀行出身の社外の人間が君臨し、ワンマン経営をするのではカラーが全く違うだろう。
とはいえ、そういったしがらみのない人間だから、大鉈を振るうこともできる。分かっていたはいたが、強引な剣持の経営はどちらに転ぶだろうか。
言葉に出さずとも態度で示すホッコリ母ちゃん

さて、圭介の紹介した結婚相手の非礼に貴子は怒り心頭かと思いきや、実はそうではなさそうである。貴子向かったのは六本木のイタリアン「VIA LATTEA」である。そう、美夢有の勤め先である。
そう、貴子も子を思う親なのである。食事を一通り堪能し、何も言わず美夢有へメッセージを残し、店を後にする近い将来の義母。貴子としても、良い時間になったのではないだろうか。剣持松男に諮られ、息子の圭介はUEMATSUの後継の座を逃す。その圭介からは唐突に結婚と、相手の妊娠を告げられ、あげつに車をガードレールにぶつける始末。
いろいろあっただろうが、息子が自分で結婚相手を見つけ、その女性も立派に働いているというのであれば、もう親がこれ以上、何か言う必要はないだろう。貴子と圭介夫妻が上手くいくことを祈るばかりである。