お気に入りマンガの感想のようなブログです【一部ネタバレあり】

社外取締役【STEP45】What Difference Does It Make?

桜沼酒造の沼田清伍会長の大盤振る舞いは功を奏したようである。やはり、ここぞというときには惜しまず思い切った判断をするのが良いのだろう。その判断ができるのが腕のある経営者ということだ。ダニー・ホークマンのホームパーティーに出席していた全員から追加注文が来たというのは出だしは上々といったところだろうか。

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玄人に良さは分かっても素人にも理解してもらうのは困難

しかし、ホームパーティーに来ていた連中は、言ってみれば「業界人」である。舌の肥えた面々だから「喝采」の良さを感じられ、追加注文までしたのだ。そうでない人間にとっては、日本酒の扱い自体も詳しくないレベルなのである。事実、街のリカーショップで喝采は、ワインと同じように常温で寝かせられてしまう程度のものなのだ。

島耕作、社外取締役としての役割を果たす

そこで、社外取締役・島耕作のグッドアイデアである。先日のパーティーでの大盤振る舞い同様、リカーショップにもセラーを提供することで、日本酒の品質を保ってもらおうという考えだ。無償提供であれば、ショップに痛手はない。喝采を認知させるための初期投資、宣伝費の1つのようなものと捉えれば、悪い話ではないだろう。

しかし、肝心なのは生産体制である。どれくらいの量を生産できるのか、そもそも原材料となる山田錦の品質は保たれるのか。沼田会長には、東南アジアで山田錦を生産しようとしたものの、日本の農家のような細かさまで伝えることができなかった、苦い経験がある。働き方やコメ作りに対する姿勢は国で異なる。それを日本の生産レベルと同等に引き上げるのは困難を極めるだろう。異国での事業展開はやはり難しいのだ。

これは初芝のようなメーカーとは違った難しさがまたあるのだろう。さらに、今は昔ほど日本の企業で働きたいという外国人は多くないと思われる。このあたりの課題をクリアできればアメリカでの喝采の展開はうまくいくだろうが、果たしてどうなるか。様子を見てみよう。

70歳代に本場アメリカのステーキはグッドチョイスなのか

さて、耕作and耕太郎はボリューミーなステーキが味わえるニューヨークの人気店「Keens Steakhouse」で食事である。恒例の耕作にこの食事は合うのであろうか。若い耕太郎が耕作の分も平らげるということなのか。話題は耕作の娘・奈美のボーイフレンドに移る。

奈美が現在付き合っている男性は、ジャズクラブでアルトサックスを演奏するミュージシャンである。名はジェリィ・オースチン。母親が付き合っている男の名前までよく調べたと思うが、ジャズクラブに当日の演者一覧でもあったのだろうか。さらに、「Keens Steakhouse」を食事の場に選んだのも、食後にジェリィ・オースチンが出演するジャズクラブに行くためだという。

若干気持ち悪い行動だが、耕太郎の母思いが起こした行動、ということにしておくのが良さそうだ。ちなみにオースチンは自身の名を冠した「JERRY AUSTIN TRIO」というバンドを率いているのである。

名店で単独ライブするようなレベルのバンドのリーダーがモテないわけがないのである

そして、ジェリィ・オースチンが出演しているジャズクラブは名店「Village Vanguard」のようである。この店で演奏するバンドのリーダーを務めるミュージションということは、一流なのだろう。そして、一流のミュージシャンはやはりモテる。つまり、他に女性がいてもおかしくないのである。

奈美はオースチンにとって本命か、遊びか。一緒に店に消えていった女性との関係はなんなのか。しかし、自身が演奏する店に一緒に入るといった事実から、奈美のほうが不利な立場であることは、耕太郎でも理解できるだろう。この事実をまだ奈美は知らないわけだが、耕作と耕太郎はどんな顔をして帰路につき、奈美と顔を合わせたのだろうか。