日本企業が海外のプロスポーツチームのスタジアムに広告を掲出するには、どのような意味があるのだろうか。そのチームに日本人が所属しており、試合観戦する日本人をターゲットにしたり、チームを応援する現地のファンに企業を知ってもらったりするのが一般的だろう。
企業とチーム双方にメリットがあって成り立つのがスポンサー

チームもいわゆる「ジャパンマネー」を狙い、日本人選手を獲得したり、日本人選手の獲得が決まると日本企業に営業をかけたりする。
しかし、桜沼酒造の沼田清伍会長は、そのようなスタンスで広告を掲出することは、みじんも考えていないようである。日本で古くから知られるメジャー球団の1つであるヤンキースだが、日本人選手が所属したのは田中将大投手の2020年が最後だ。
つまり、沼田会長は日本人選手の所属は関係なく「KASSAI」の看板を掲出することを決めたのである。広告費は2年間で35万ドル。これが安いか高いか、費用に見合うかは「喝采」がアメリカでどれくらい飲まれ、認知されるかだろう。
ほとばしるトップの熱量が実を結ぶ日が来るのか

沼田会長のこだわりはすごい。あくまで日本酒は、日本で作られた酒であり、それ以外の外国で作られたものは見た目も中身も日本酒であっても「SAKE」だという。
そして、ニューヨークは全米進出の起点にすぎず、各州、そして世界進出を目指すという。大学との連携も進めており、トップがこれほど熱を入れている会社も珍しいの。沼田会長以外の社内の人間の姿をほぼ見かけないのが気になるが、国内外の桜沼酒造の運営は問題ないのだろうか。
一人娘に見送られ帰国の途に就く島耕作

出発まで2時間も前に空港についているのは交通の問題か、他にやることがなかったのかは分からないが、帰国前に親子二人での会話である。ただ、その会話の内容は込み入ったものというのが悲しい。
そう、奈美が付き合っているという男のことである。ジャズミュージシャンのジェリィ・オースチンの本命はどっちなのだろうか。ジャパニーズは遊びにすぎないのか。しかしそれなら奈美は少々歳を重ねている気がするが。それともやはり日本人は若く見られるのだろうか。
大人の男女の問題なので、奈美がどのような決断を下すかは本人に委ねるのである。耕作も父である以上、心配はするだろうが、そこは奈美を尊重しているのだろう。しかし奈美は、男を見る目がないのか。耕太郎の父も結局、奈美と一緒になることはなかった。そして今回のオースチンである。ほかの男性遍歴が不明なので決めつけるのは早計だが、小学生時代などの奈美を知っている身としては、親戚のオヤジのような気持ちで、彼女の幸せを願ってしまうのだ。