お気に入りマンガの感想のようなブログです【一部ネタバレあり】

社外取締役【STEP48】Stranger in My Own House

UEMATSUの傘下に入ったレインボーインキ代表取締役・助宗太郎の思惑は何だろうか。そもそも、銀行を辞めてレインボーインキの代表に収まった経緯も不明である。UEMATSUグループに入ったのは、剣持松男と旧知の仲であり、将来的にUEMATSUを牛耳る算段などがあるのだろう。つまり助宗も野心家であり、剣持が手の届かないあたりで暗躍する可能性が高そうだ。

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さっそく部下の丸茂に森塗研へのスパイ派遣のミッションを下す助宗

それにしても、さっと動くあたり、この丸茂もかなり腹黒い人物だと思われる。その丸茂が焼き鳥屋に呼び出したのは、小さな町工場「ワタナベ塗装」の代表・渡辺洋一である。レインボーインキの元社員であり、森塗研にも籍を置いていた渡辺にスパイ役をやらせようというのが、丸茂そして助宗ミッションである。

ワタナベ塗装の経営は苦しく、工場を畳むことも考えている様子だが、そこで金になる話を振られたら気持ちは揺れ動くのである。しぶる渡辺に、スパイなんて当たり前に存在するし、してもしなくても情報はそのうち洩れる、なんて言っているが、さすがにそれはちょっと極論ではないだろうか。まあ、オープンソースなど、むしろ積極的に無償公開する場合もあるが。

それにしても毎月現金でドカンともらえる、負債も引き受けれくれると聞けば、渡辺でなくても相当揺らぐだろう。そこまでしてステルス塗装の進捗を知りたいのか、そこまで金をかけてまで知りたい情報なのか。剣持はそのあたり、ちゃんと計算しているのだろうか。

いつの間にかゴルフの腕を上げていた剣持

植松権兵衛との親子ラウンドでは、ドライバーを力いっぱいぶん回していた剣持松男だが、ゴルフの腕はかなり上げているようである。そういえばあのころは、島も平瀬健一も剣持を少なからず推していたはずである。あまりの暴君ぶりに各務をストッパー役に置いたり、下ろす画策をしていたりするふうだが、自分たちも一時は剣持を2代目に推した、という責任は感じないのだろうか。

本日の剣持は清宮由美子との同伴ラウンドのようだが、だいぶ顔が変わったように見えるのは、気のせいだろうか。それとも別人なのだろうか。ラウンドを終えて向かうは西麻布の「ポムロール」である。おそらく、高級なワインを振る舞うレストランで大臣との会食なのである。ゴルフの後に大臣と会食とは、剣持のタフさが表れる行動だが、剣持は政治家とのパイプも着々とつくっているということだろうか。

剣持、だんだんとボンクラ社長になる

しかし、この日は剣持のタフネスな行動が裏目に出るのである。渋滞にハマり、会食に遅刻する可能性が出てきてしまったのである。高速道路で渋滞にハマった場合どうするべきか?愚かなのは、細かな車線変更である。隣が進んでいると、どうしてもそっちが良く見えるが、結局は大して変わらないものだ。そもそも、渋滞にハマった場合は、なにが原因で渋滞が発生しているかを把握するべきなのである。まあ、テクニック的には、合流車両が来ない車線を走るのがストレスは少ないだろうが、これはもう個人の性格などによるだろう。

さて、社用車で社のドライバーに運転させている剣持だが、これは社業なのか。大臣との会食は社業として認められるとしても、その前のゴルフへの送迎は当てはまらないだろう。剣持らしからぬ隙である。飛ぶ鳥を落とす勢いの剣持だが、最近はおごりなのか凡ミスが目立つ。

高速の渋滞、先に進むのはどちらか ズバッと見抜く心理術 [ 内藤誼人 ]

隙を見せたらバクっといかれるのが島耕作ワールド

挙句の果てに、ドライバーの意見もロクに聞かず、高速を降りて下道での移動を選択する一行。だいたいこういうときは、下道も混んでいるのである。そしてこういった場合は、より経験値の高いドライバーに委ねてしまう方のがベターだ。あげく、自分も進言した下道移動の選択を、ドライバーの責任にする剣持。大臣との会食に遅参するなど焦る気持ちは分かるが、驚くほどの小物ぶりにこちらもびっくりである。もしかしたら、この女が運を下げているような気もするが、これは個人の想像としておくのが良いだろう。

後日、パワハラを受けた剣持の専属ドライバーが会社を辞めた、との報が島のもとに入る。やることがないのか、オフィスに顔を出していた平瀬も腹黒さは一級品である。空いたドライバーのポストに刺客を送り込む案など、すぐに考え付くのは、普段からいかにして剣持を失脚させるか、考えていないと出ないアイデアだろう。こちらのスパイ役は誰になるのだろうか。そして、スパイ役を命じられ悩む渡辺洋一。
島耕作シリーズらしい展開に嬉しくなる今日この頃なのである。