私的コミックアーカイブ 
剣持にUEMATSUの後を継ぐ意思がないことが確認された。長峰は少々意外なようであるが、まあ、剣持の考えからすれば当然だろう。東大法学部卒業、ハーバード大学MBA（経営学修士）でメガバンクの頭取を狙うエリートが、わざわざ銀行を辞める道理がない。
ということで、島と平瀬健一、そして今日はUEMATSUの社外取締役議長である徳野恭三（五井不動産会長）の三人が、日比谷 松本楼でオムライスを食すのである。ランチということで、さすがにワインは並んでいないようだ。そういえば、得能だった苗字が徳野に変更されているようだが、気にしないのがベターだろう。
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毎日出社しない取締役は普段どこで何をしているのか
さて、圭介副社長は週に2～3日ほどしか出社していないようである。まあ、大企業の取締役はその程度かもしれないが。誰よりも早く出社する社長ももちろん、一部ではあるが存在するが。では出社しない日は何をしているのか？ゴルフ三昧なのか？
「なにしているのかな？」「意外と外で仕事してるかも」
じゃあ、副社長が何しているか探偵を使って調べてみよう！と普通ならないだろ！と思うが、そうなるのがこの漫画である。この探偵の調査費はどこから出るのだろう？まさかUEMATSUの経費ではないだろうが・・・。島のポケットマネーか、3人がそれぞれ負担するのだろうか？
依頼する探偵事務所は当然、グレちゃんこと木暮久作が代表を務める「小暮探偵事務所」である。グレちゃんも当たり前だが75歳になり、さすがに前線で探偵業をするのはしんどいようで、今回は若手を投入することになった。若者の名は、七瀬五郎。そう、名作「ハロー張りネズミ」である。七瀬は陸上自衛隊第一空てい団に10年ほどいた、これまたスーパーエリートである。その七瀬が圭介に一週間ほど張り付くことになるのだった。
七瀬五郎、「ハリネズミ（張り寝ず視）」の面目躍如の大活躍
さっそく、圭介の動向を朝から探る七瀬。お母さんにネクタイを締め直してもらう圭介、意外にも朝から出社し、夜まで社業をこなしていたっぽい圭介、仕事を終え銀座の高級寿司店「鮨 ひろ田」で食事をとり同伴したらしき和服の女性とクラブ「殿（との）に直行する圭介。「殿」が店じまいとなったのだろう、23時30分に女性とタクシーで青山に向かう圭介。マンションの5階の部屋の窓に明かりが灯り、26時30分にマンションを後にする圭介。タクシーを拾い27時17人に帰宅する圭介。
探偵業も楽ではないのである。仕事とはいえ、これを一週間続けるのは第一空てい団出身でも簡単ではないだろう。
島耕作ワールドにおいて夜の世界で成り上がろうとする女性はほぼハイリスク
一週間きっちり動向を調べられた圭介はどうやら、月水金とクラブ「殿」に通っているようである。和服の女性と圭介の関係は、愛人のように見えるが、お互い独身であれば単に恋人関係だろう。まあ、互いにそれほど恋愛感情はなさそうだが。お互い都合が良い距離感、ということだろうか。
女性の名は清宮由美子。「殿」のホステスで現在33歳。銀座6丁目のキャバクラからクラブに転身し、ナンバーワンホステスに上り詰めたようである。そして、将来独立し、自分の店を持つことを目標としているようである。そしてすでに居ぬき物件の内見も始めているとのこと。ということは、良い店が見つかった場合、まとまった金が必要になる。銀座7丁目あたりで新規でクラブを開店する場合、いくらくらいかかるのだろうか。由美子が声をかければ金を出す人間は多そうだが、そのぶん面倒な男も増えてしまうだろう。ここが意外に難しい。男を見極めなければならない。
さて、その由美子自身にも怪しい過去があり、2年前には反社会的組織の男と付き合っていた、という噂もあるようだ。このあたりの抜かりなさが、さすが五郎である。圭介に張り付いていながらそこまで調べ上げるのは、有能としか評価しようがない。きっとグレちゃんの指導も良いのだろう。さて、圭介は「金づる」にされてしまうのか。それとも、美人局的なものなのだろうか。気になり夜しか眠れない今日この頃なのである。
